成田富里徳洲会病院

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整形外科

担当医のご紹介

診療内容・特徴

整形外科では上下肢、頚椎以下体幹部の広範囲の疾患[上肢(肩・肘・手)、下肢(股・膝・足)、脊椎の疾患、その他上下肢外傷、骨折、骨粗鬆症など]を扱うため、より臨床に精通した医師による、正しい診断が大切であり、その診断のもとに、それに応じた適切な治療(効果の立証された治療法)を行っており、より効果的な治療が可能となります。

下肢の股、膝関節の老化により変形する変形性股関節、膝関節症は年齢とともに悪化しやすく、痛みの強い症例では、人工股・膝関節置換術により、痛みから解放された生活が可能となります。人工股、膝関節手術では、筋肉を出来るだけ侵襲しない低侵襲手術(MIS)を行っており、術後短期間のリハビリでの回復が期待できます。

高齢者で間歇性跛行(長時間連続歩行困難、起立持続困難)や臀部下肢痛の坐骨神経痛様症状を示す例は、腰部脊柱管狭窄症のよることが多く、内服、注射治療でよくならない例では、手術にて、症状を改善することが可能です。

高齢者では、ぎっくり腰のような痛みは脊椎圧迫骨折、骨盤脆弱性骨折であることが多く、急性の歩行時下肢付け根の痛みは、大腿骨、骨盤脆弱性骨折の可能性があり、X線像で不明な例も多く見逃されやすい疾患で、診断にはMRI、CT有用です。両骨折とも当院では積極的に入院してもらっており、かつ回復期リハにて充分な充分なリハビリの可能です。

70歳以上では、肩から上腕の痛みは、50肩ではなく、肩腱板断裂のことが多く見逃されやすい疾患で、関節造影、MRIによる診断が有用です。

また、高齢者に多い、大腿骨頸部・転子部骨折では早期手術で、翌日よりリハビリ訓練を開始し、受傷前の機能の回復に努めています。膝の半月板断裂、十字靭帯断裂症例は、大学からの非常勤にて、鏡視下手術の機器での鏡視下手術で行なわれ、早期に退院できます。

ほかに、肩関節鏡、肩腱板断裂手術、いろいろな部位の骨折手術などが主なものです。

参考資料も載せていますので、参考にしてください(おもに医師向けの内容ですが一般に方もみられます)。一般整形分野に十分対応できる医師外来ですので、整形外科全般に気軽に紹介してください。

診療所・クリニックの先生方へ

変形性股関節症、変形性膝関節症にて手術する患者さまには、ほとんどの症例に出来るだけ筋肉損傷をさける低侵襲人工股,膝関節置換術を施行しています。
早期リハ、短期入院で回復できます。変形性股関節症、変形膝関節症にて、保存治療にて軽快せず、手術希望されている方がいましたら、ご紹介ください。
脆弱性骨折では脊椎圧迫骨折が代表的な疾患ですが、骨盤の脆弱性骨折も多く、明らかな原因のない例もあり、見逃されやすく腰痛,殿部痛、ソケイ部痛が持続、悪化する方、歩行困難などある方は精査にて、確定診断することが重要ですので、ご紹介ください。
大腿骨頸部、転子部骨折、脊椎圧迫骨折とも、救急にて対応し、入院加療が可能です。
大腿骨頸部、転子部骨折の早期手術も可能で、リハスタッフが充実しており、回復期リハビリ病棟での十分なリハビリも可能です。

参考資料も掲載します。おもに医師向け、一般の方も見れますので是非参考にしてください。

関節疾患

股関節の主な病気と治療

変形性股関節症

股関節は、下肢の付け根の部分にあり、ボールの形をした大腿骨骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる寛骨臼(臼蓋)との組み合わせでできた、球状の関節です。健康で正常な股関節は、歩いたり、ひねったりするとき、関節軟骨がクッションとなり痛みを生ずることはありません。しかし、若いときには柔らかく滑らかだった軟骨も、加齢によりだんだん硬くなり、クッションの効果が失われてしまうことがあります。その結果、ひどい場合には軟骨が擦り減り、骨がこすれて痛みを生じてしまいます。これが、変形性股関節症です。変形性股関節症は、50歳前後から増加し、70歳代後半がピークとなります。また、どの年齢層においても女性に多い疾患です。

  • 1次性:日本では今だにまれですが、高齢化とともにやや増加傾向です。またFAIという股関節部の骨のぶつかりが原因との見解もあります。
  • 2次性:臼蓋形成不全(臼蓋が浅く骨頭の受ける範囲が小さい)の方はストレスが高いため、年齢とともに関節軟骨がすり減りやすく、痛みが出現します。その他、先天性股関節脱臼、外傷、大腿骨頭壊死、関節リウマチ、化膿性股関節炎、軟骨下脆弱性骨折後などで起こります。
    痛みが軽いうちは鎮痛剤、減量、筋トレ、運動療法などの保存療法を行います。初期の段階であれば自分の骨を利用した手術(骨切り手術)も適応になりますが、軟骨がなくなり骨と骨がぶつかり始める進行期、末期の状態で、痛みが日常生活の支障になる場合は、人工股関節置換術が適応になります。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭が壊死(骨の細胞が死んでしまうこと)を起こし、つぶれて骨頭が変形し、強い痛みを生じる病気です。原因不明で起こる特発性の場合と大腿骨近位部骨折後やアルコールの多飲、ステロイド服用で起こす場合があります。
壊死範囲が小さければ経過観察か、骨頭の骨切り術をして壊死のないところで体重を支える手術をしますが、骨頭の破壊が進み、変形性股関節症で、痛みがつよい場合は人工股関節の適応になります。

関節リウマチ

関節リウマチは関節内の関節液を作る滑膜(かつまく)が炎症を起こして、周囲の軟骨や骨を浸食する病気で全身の関節が破壊され可能性があります。最近は早期発見と生物学的製剤などの新たな薬や注射での全身的治療が進歩しており、十分コントロールできる可能性が高くなっています。しかし、進行して股関節が高度に破壊され、痛みが強い場合には人工股関節手術が適応になります。

急速破壊型股関節症関節

短期間に(1年以内)に股関節破壊が進行する病気で、原因はまだ不明ですが、軟骨下脆弱性骨折(大腿骨頭軟骨下に微細な骨折SIF)後に、この疾患になる場合があり原因の一つと考えられています。破壊された股関節では人工股関節が適応となります。

人工股関節置換術

壊れてしまった股関節を金属やセラミックなどの人工の股関節に置き換える手術は、痛みを根本的に取り除くための唯一の治療法です。
人工股関節は、特殊な金属やセラミックスなどでつくられていて、痛んだ股関節に代わって、患者さんの身体を支えてくれます。大きさや機種など、患者さんに適したものを選んで使用します。以前は人工関節の動きが小さいため日常生活の制限も必要でありましたが、現在は動きの大きな人工関節が作成され、制限のない生活ができるようになってきています。

耐久性は10年間で95%以上あり、長期に安定した手術法です。20-30年経過した結果の報告では、80%ぐらいが問題なく使用出来ていると言われています。これらは一昔前の機種での結果であり、最近ではさらに摩耗の少ない材質と、動きの大きい人工関節が開発されており、実験室の試験では、より長期の耐久性が証明されており、生体内でのより長期の耐久性が期待できると考えられます。
術後のリハビリは術後1日目より行い、2-3日後より荷重も許可します。退院は個人差がありますがほぼ4週くらいで退院しています。高齢者では、十分なリハビリを行って退院することも可能です。

人工股関節の利点は、

  1. 踏ん張っても痛くなくなる!

    人工股関節に置き換えることで、痛みがなくなる。これまで外出を躊躇していた人も、安心して外出できるようになり、生活そのものが豊かになる。

  2. 動きがよくなる!

    動かしづらかった関節の動きも改善される。そのため腰痛も軽快する。

膝関節の主な病気

膝関節は、大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)、脛骨 (けいこつ:すねの骨)、膝蓋骨(しつがいこつ:お皿)の3つの骨が組み合ってできた関節で、歩くときには体重の1.5~2倍、階段を下りるときには3倍以上もの荷重がかかります。
骨の表面は関節軟骨におおわれ関節の滑りをよくしています。また大腿骨と脛骨の間には半月板(はんげつばん)と呼ばる線維軟骨があり、関節にかかる力を分散し吸収するクッションの役割をはたしています。

変形性膝関節症

加齢とともに、膝関節の関節軟骨がすり減って、膝の痛みと変形が生じる病気です。女性に多く、原因は関節軟骨の老化と考えられますが、同じように暮らしていても個人差があります。その中ではっきりと関係のある要因は肥満です。変形性関節症の予防や進行を止めるためには、体重をコントロールすること、大腿四頭筋の筋力増強が重要です。

最初の症状は椅子から立ち上がりの時の痛み、階段での痛み(特に降りるときが多い)、正座ができない、ということが多いです。その後、関節の動きが悪くなったり、時に関節にお水がたまったりして徐々に進行します。 膝関節の内側の軟骨が痛むことが多く、すり減ってくると膝がO脚に変形してきます。徐々に歩行距離も短くなってきます。

関節リウマチ

関節リウマチとは一種の自己免疫疾患(免疫異常によって体の中の正常組織を傷害する物質{自己抗体}が産生されることによっておこる病気)で、関節包の内側にある滑膜に炎症が起きて、関節軟骨が破壊されて骨が変形するため、痛み、腫れ、機能障害が起こる病気です。

全身性の病気なので、薬や注射による全身的治療が基本です。最近では生物学的製剤などを使用により進行を抑えることができるようになってきていますが、膝関節の破壊が進んだ場合には主に人工膝関節手術を行います。

人工膝関節置換術

これは傷んだ軟骨、骨を人工膝関節の形に合わせて薄く削り、金属、セラミック、ポリエチレンでできた人工関節を自分の骨の上にしっかりと固定する手術です。手術治療の中で最も痛みをとる効果が高く、また変形の矯正が行え、安定した手術です。またO脚の足もまっすぐになります。

人工膝関節の耐久性は、10年間ゆるみがなく、日常生活が過ごせる可能性が95%以上あり、長期に安定した手術法です。術後のリハビリは術後1日目より行い、荷重も許可しています。退院は個人差がありますがほぼ4週以内にT字杖にて退院しています。高齢者では、十分なリハビリを行って退院することも可能です。

人工関節手術について

手術をするか否かは、患者自身の要望、考え方により異なります。早期手術すること、高齢でも手術する場合もある。
1:50歳代の働き盛りに股関節痛にて日常生活に支障がでるのはつらい。10年以上も痛みを我慢、生活制限をするのは酷なこと。
2:旅行もしたい、ゴルフもしたい、もっと制限のない痛みのない生活を望む。
3:実りの多い痛みから解放された有意義な生活を望む。(痛みを取り除いてよりよい人生を生きたい、楽しみたいといったQOL(生活の質)重視の考えを持つ患者)

  1. 仮に再手術が必要になるとしても50歳代でも手術を行う。
  2. 高齢でも肉体年齢が手術可能なら手術を行う。も選択肢に。逆に激痛でも手術希望しないときもある。
  3. 日常生活を制限し、外出をひかえ、痛みは出来るだけ我慢することで、多少とも危険のある手術は希望しない。

一般的には、60歳以上か、高齢者では肉体年齢が手術可能(内臓機能良好)か否かが、人工関節手術の適応です。2008年データでは、人工股関節置換術の患者の平均年齢は65歳、人工膝関節置換術の患者の平均年齢は73歳と、比較的高齢の方が手術を受けています。

MIS法(最小侵襲手術)について

MIS(Minimally Invasive Surgery)とは、一般的に最小侵襲手術と呼ばれる手術法を表しています。人工股関節、人工膝関節とも同じ概念で、人工関節手術のMISでは皮膚を切開する長さを従来よりも小さくする、筋肉を出来るだけ切らず傷めずに温存する患者さんにやさしい手術法のことを示します。但し患者さんの容態や症状、関節の状態等によっては行えないこともあります。

従来の手術方法とMIS(最小侵襲手術)法の違いは?
  1. 関節進入時の周囲組織、筋肉への侵襲が少ない

    MIS(最小侵襲手術)法では、最小限の筋肉切開で手術を行います。筋肉を切る量が少ないので、患者さんの痛みは従来法より少なくなり、回復も従来法より早くなります。また従来法に比べ、皮膚に残る傷跡が小さいという美容的メリットもあります。人工股関節手術において進入路、体位などが異なるいくつかのMISがありますが、当院では側臥位で前外側進入法(OCM)を、人工膝関節手術でもいくつかの進入法がありますが、内側広筋一部切離、膝蓋骨翻転しない進入法(MidVastus)を行っています。

  2. 術後早期のリハビリテーション、早期退院が可能

    MIS(最小侵襲手術)法では極力、筋肉に対する侵襲が少ないため、関節を動かすための筋力を維持することができます。手術翌日からリハビリテーションを開始することができ、術後の安静による筋肉が衰えを回避でき、より早期の回復、退院が可能になります。術前より体力があり、比較的若い患者では、個人差はありますが、2週間くらいで退院することも可能となります。高齢者では、十分なリハビリを行って退院することをお勧めしています。

人工関節の合併症について

人工関節はメリットばかりではありません。次のような合併症が起こる可能性があり、十分な理解が必要です。また合併症は手術自体による合併症であり、どこの施設でもおこる可能性があります。

人工股関節では、特に1.肺塞栓、5.脱臼、3.感染が最もさけたい合併症である。

主な合併症について
  1. 深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)

    血栓とは血管の中にできる血のかたまりです。 人工関節の手術の術中もしくは術後に、深部静脈に血栓が生じる深部静脈血栓症(DVT)が起こる場合があります。血栓が生じると、脚のむくみや痛みなどが起こります。また、この血栓が静脈壁から遊離して肺動脈に詰まる場合があり、これは肺塞栓症(PE)と呼ばれ生命に関わることもあります。血栓ができた場合は血管外科、循環内科にて治療を行うことになります。
    致死性の肺塞栓症の発生率は約0.01%といわれています。深部静脈炎や血栓症の予防のため、弾性包帯や弾性ストッキングで下肢の静脈の血流障害を予防したり、血液の凝固をふせぐ薬剤を用いたり、脚を自動的にマッサージする器械を用いたり、患者自身が早期に脚の運動を開始するなどの方法がとられます。

  2. 神経損傷、神経麻痺

    人工関節の手術を行うと、まれに神経麻痺が起こる場合があります。
    神経麻痺の発生率は人工股関節手術をした人の0.6~3.4%に起こるといわれており、めったに起こらない合併症ですが、足の一部の感覚が失われたり、痛みがでたりして、筋力の回復に時間がかかってしまうため深刻な問題です。
    しかし、多くの症例では徐々に回復し、術後1年程度で正常にまで回復すると言われています。

  3. 感染症

    人工関節の手術では、細菌感染が起こることがあります。感染には早期感染と晩期感染があり、早期感染は主に手術時の感染が原因と考えられています。
    これに対し、手術後3ヶ月以上たっておこる晩期感染は、早期感染に比べ頻度は低いですが、体調をひどく崩したとき(AIDS、悪性腫瘍、肝機能障害、糖尿病の悪化)などに起こることがあります。感染は抗生物質などで治療できますが、深刻なときは人工関節の抜去が必要となる場合があります。感染の起こる確率は0.3~3%といわれています。

  4. 骨折

    人工関節を設置する際の骨折には、手術中に起こる骨折と手術をした後に起こる骨折の2種類があります。手術をした後に起こる骨折は、通常転倒や事故などの衝撃により起きる場合が多く、骨折の頻度は約1%程度であると考えられています。骨折後の治療法は経過観察や再手術などそれぞれの症例に適した方法が選択されます。

  5. 脱臼

    人工股関節術後の合併症として脱臼が通常3%位あり、多くは術後3か月以内に起こります。再置換術の原因の2位か1位となっています。手術後、関節包が切除され、周辺の筋肉などの緊張が弱っているときには、ある方向への関節運動にて脱臼が起こりやすくなります。動きの大きい人工関節の使用、人工関節の設置位置、筋肉を損傷しない前外側アプローチなどにより,脱臼の頻度は非常に少なくなっています。

  6. 人工関節のゆるみ、骨溶解

    人工関節と骨、骨セメントと骨の間に機械的ゆるみを生じることがあり、また、人工関節のポリエチレン(UHMWPE、XlinkPE)、金属の摩耗粉(まもうふん)が生じ、この摩耗粉が人工関節と骨の隙間に侵入し骨が溶解すると人工関節にゆるみ(骨溶解)が生じることがあり、場合によっては人工関節を入れ替える手術が必要になります。関節に大きな負荷のかかる運動や動作はできるだけ避けるようにしましょう。そして、最低でも1年に1回は定期検査を受けることをお勧めしています。

人工股関節手術を考える目安

  1. 歩行時痛のため長く歩けない。歩行距離が短くなっている。
  2. 思うように動けない。家事をするのが苦痛。
  3. 階段の昇降ができない。
  4. 安静時にも疼痛。痛みが強く日常生活に支障がある。
  5. 鎮痛剤が常に必要、激痛の頻度が増加。

*一般的には60歳以上、高齢者では肉体年齢が手術可能(内臓機能良好)か否か。人工股関節置換術の患者の平均年齢は65歳、人工膝関節置換術の患者の平均年齢は73歳と、比較的高齢の方が手術を受けている。

ただし、最終的に手術をするか否かは、患者自身の要望、考え方により異なる。

早期でも、高齢でも手術する場合がある。

  • 症例1:50歳代の働き盛りに股関節痛にて日常生活に支障がでるのはつらい。10年以上も痛みを我慢、生活制限をするのは嫌だ。
  • 症例2:旅行もしたい、ゴルフもしたい、制限なく痛みのない生活をしたい。
  • 症例3:若い年齢で手術すると再手術の可能性は高くなるが早く痛みから解放されたい
    (痛みを取り除き、よりよい人生を送りたい、楽しみたい等QOL(生活の質)重視の考えを持つ患者)

逆に激痛でも手術希望しないときもある。

  • 症例:多少とも危険のある手術をするくらいなら、痛みを我慢するほうがいい。

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