臨床工学科

臨床工学技士（CE）とは、医療機器のスペシャリストとして病院内で使用される様々な医療機器の保守・点検を担っている専門医療職です。
業務内容は医療機器関連を中心に多岐にわたっており、他職種と連携してチーム医療に貢献しています。

当院は、2015年9月に開院し、CEは4名でスタートしました。年々業務拡大を行っていき、2024年4月現在で2１名のスタッフ（CE：20名　クラーク：1名）が在籍しています。

院内で使用されている医療機器の保守・点検を行っています。特に集中治療室においては、人工呼吸器や血液浄化、経皮的心肺補助装置（ECMO）、大動脈内バルーンパンピング装置（IABP）などの生命維持管理装置の点検・管理を医師や看護師と共に行っています。そのため、当院では24時間体制で対応しています。

透析センターCEは院内での血液浄化を24時間体制でBack upしています。
透析センターは28床(うち個室2床)で、月曜日から土曜日まで毎日2クール体制でHD（血液透析療法）を実施しています。on-Line HDF（血液濾過透析）にも対応可能であり、患者の状態に応じて医師・看護師と連携し、治療に当たっています。
急性血液浄化療法にあっては、持続的腎代替療法（CRRT）に加え、各種アフェレシス（PE・PA・DHPなど）、腹水濾過濃縮再静注法（CART）など様々な特殊透析治療に対応しています。

≪虚血≫
　冠動脈造影・血管内治療や頸・腎・下肢などの冠動脈以外の血管の造影・検査、治療のサポートを行っています。基本的には、ポリグラフの操作を中心とした循環動態の監視、各種圧の計測や、心拍出量の計測、弁の面積の解析なども行っており、治療ではIVUS（血管内超音波）の操作・計測。また、緊急時の除細動器や補助循環装置（IABP・PCPS）の操作もしており多岐に渡る業務を行っています。

ペースメーカの植込みから外来によるFollow Up 、MRI撮像対応や遠隔モニタリングも実施しています。また、全てのペースメーカに対応可能かつ緊急チェックにも対応しています。

・カテーテルアブレーション
３Ｄマッピング【CARTO】を用いて医師の治療のサポートを行っています。
心内心電図の解析は【Bardラボシステム】を使用しています。検査科と一緒に不整脈の解析と治療に携わっています。

脳カテーテル検査、治療に携わっています。清潔野に入り、透視装置の操作や各種デバイスの準備、医師の介助を行っています。

内視鏡センターでのCE業務は検査に使用する電子スコープの取り外しや取り付け・処置具等の補充点検などの管理、内視鏡検査が開始できるように準備をし、スコープの洗浄及び消毒を行います。

当院ではERCP（内視鏡的逆行性膵胆管造影法）、ESD（内視鏡的粘膜下層剥離術）など、専門的な治療を行っており、CEがそれぞれの治療の介助に入り、高周波装置や処置具の操作等を行います。緊急時や病棟、救急外来での検査・治療が必要な場合は24時間365日いつでも臨床工学技士が医師・看護師と共に止血をはじめとした内視鏡治療の対応にあたります。

当院手術室は５部屋（ハイブリッド室1部屋）で稼働しており、業務拡大に伴い最大１０部屋で手術を行うことが可能になります。

CEは人工心肺業務をはじめとした補助循環業務、術中自己血回収、麻酔器の日常・定期点検、da Vinci業務、オペ室機器管理業務など様々な業務を行っています。

高気圧酸素療法（HBO）とは、高い圧力（2~2.8気圧）下で純度100％の酸素を吸入し、血液中に溶け込む酸素の量（溶解型酸素）を増やすことにより、様々な病態の改善が期待できるものです。

CEの役割として高気圧酸素治療装置の操作を主として、高気圧酸素治療中の患者の体調・状態を細かく確認し安全な治療を提供できるよう心がけています。

透析業務

1. HD：外来14439件/入院5762件
2. CHDF：695件
3. 腹水濾過：27件
4. 血漿交換：18件
5. 血漿吸着：5件
6. その他（DHP等）：2件

カテーテル検査業務

1. CAG：481件
2. PCI：233件
3. 下肢動脈造影：27件
4. 頸動脈造影：14件
5. 腎動脈造影：7件
6. PPI：17件
7. 補助循環：17件
8. 一時的ペースメーカ：43件
9. 植込み型ペースメーカ：59件
10. 植込み型心電計：６件
11. 外来ペースメーカチェック：246件
12. 入院ペースメーカチェック：68件

アンギオ検査室業務

1. 脳アンギオ：115件
2. 血栓回収：9件
3. 脳血管塞栓術：29件
4. CAS：19件

内視鏡業務

1. 上部内視鏡：5422件
2. 下部内視鏡：1714件
3. ERCP：429件
4. BF：108件
5. ESD：51件
6. EUS：16件

手術室業務

1. 人工心肺使用症例：60件
2. 人工心肺不使用症例：41件
3. 術中自己血回収：105件

高気圧酸素治療業務

1. 腸閉塞：1164件
2. 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害：1114件
3. 脳梗塞：883件
4. 骨髄炎又は放射線障害：878件
5. 突発性難聴：337件
6. その他：491件