泌尿器科
泌尿器科紹介
当院泌尿器科は開院と同時に開設いたしました。北総地区初のロボット手術センターなどをそなえ積極的に診療を行っておりましたが、近年は泌尿器科常勤医が不足し、患者様のニーズに応えることができませんでした。近隣住民の皆さま、医療機関の先生方には大変ご不便をおかけしてしまいました。2020年4月から常勤医3名体制となり、泌尿器悪性腫瘍(前立腺がん、膀胱がん、腎がん、腎盂尿管がん、精巣がんなど)に対して経験豊富な泌尿器科専門医、認定医が診断・治療にあたります。
当院は手術支援ロボットダビンチ(ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘、ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘術)や前立腺肥大症に対するツリウムレーザー(経尿道的前立腺蒸散術)など、最新式の医療機器を導入しております。これまで以上に、患者様のニーズに答えられるように努力し、徳洲会グループの方針でもある断らない医療を実践するとともに、最新でかつ最適な医療の提供を患者様とともに考えていく所存でございます。
※現在は紹介状なしでも診療時間内であれば診察可能です。
おしっこのトラブル(前立腺肥大症/過活動膀胱)

(資料提供 グラクソ・スミスクライン)

(資料提供 グラクソ・スミスクライン)
「トイレが近い(頻尿)」
「おしっこのキレが悪い(尿勢低下)」
「尿が残った感じがする(残尿感)」
「急にトイレに行きたくなる(尿意切迫感)」
「おしっこがもれる(尿失禁)」
中高年になると男性、女性ともに排尿に関するトラブルが多く出てきます。
これらは生活の質を下げ、日常生活を著しく阻害します。
男性では「前立腺肥大症」、女性では「過活動膀胱」が代表的な原因です。
当院では薬物治療から手術療法まで対応が可能です。
まずは泌尿器科を受診してみましょう。
前立腺肥大症の手術 ツリウムレーザー前立腺蒸散術(ThuVAP)
前立腺をツリウムレーザーで蒸散させることにより、「尿のとおり」を良くする最新の手術です。ツリウムレーザーは当院が千葉県で初めて導入(※メーカー調べ)された病院になります。前立腺肥大症の治療はまず薬物療法が選択されますが、効果が乏しい場合は手術を選択することもあります。当院で導入しているツリウムレーザーは、ヨーロッパ泌尿器科のガイドラインでは推奨グレードAとなっています。
ご希望の方はいつでもご相談ください。
参考手術動画サイト
「動画集」→「Quanta Cyber TM」→「ThuVAP」
https://www.edaptechnomed.co.jp/movie.html
こんな方におすすめの手術
- 内服薬の治療だけでは十分に症状が改善しない
- 内服薬を継続したくない
- 手術を受けたいが入院期間を短くしたい
- 留置している尿道カテーテルを抜きたい
ツリウムレーザー手術の特徴
- 手術中および手術後の出血が少ない
- 抗血栓療法中の方(血液サラサラ薬内服中の方)にも手術可能
- 手術後の痛みが少なく、回復も早い
- 早期退院が可能
手術スケジュール
1日目 | 入院 検温、血圧測定、採血など 21時以降は食事ができなくなります |
2日目 | 手術当日 手術終了後はベッドで安静に過ごしていただきます |
3日目 | 朝から飲水、歩行可能です。尿道カテーテルを抜去します。 ※尿道カテーテルの抜去は状態により4日目以降とする場合もあります |
4日目 | 退院予定 |
※経過により適宜変更があります
ヨーロッパ泌尿器科学会より
ヨーロッパ泌尿器科ガイドラインで推奨グレードAです。
他の治療法と比較して治療効果(蒸散力)が高く、止血力が高いと報告されています。


前立腺がん検診、早期発見(PSA検査)
前立腺がんは日本で男性罹患率第1位のがんです。その罹患率は50歳以降で急激に上昇していきます。前立腺がんには早期発見をすることができる「PSA」という腫瘍マーカーがあります。採血でチェックできる簡単な検査です。検診でPSA異常を指摘された方、ご家族が前立腺がんの方、前立腺がんが心配な方にはMRI検査も実施します。前立腺がんを疑う場合は前立腺生検(2泊3日入院)をおすすめします。前立腺がんは早期発見により根治を目指すことができるがんです。
成田市では50歳以上で前立腺がん検診(集団)が可能です。
富里市では住民検診として前立腺がん検診は実施されておりません。
気になる方はお気軽にご相談ください。
当院では前立腺がんのスクリーニングから診断、治療まで一貫して行える体制が整っております。また千葉県北総地区で最初のロボット手術導入施設でありますが、手術療法だけでなく患者さんの病状や希望に応じて様々な治療を選択する事が可能です。
前立腺生検 検査入院スケジュール
1日目 | 入院(※通常は午後) 検温、血圧測定など |
2日目 | 手術当日 朝 抗生剤を飲みます 検査は30分程度で終了します 2時間程度安静後は自由にお過ごしいただきます |
3日目 | 退院予定 |
検査結果がわかるまで2週間程度かかります。
次回外来受診時に検査結果をお伝えします。
前立腺がんの手術 (ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘)

ロボット支援手術システム「ダヴィンチ」
手術支援ロボットであるダヴィンチは1990年代に米国で開発された内視鏡手術支援ロボットです。米国においてはダヴィンチを使用した手術が前立腺癌手術の約9割を占めております。国内でもすでに200台以上のダヴィンチが導入されており、当院でもダヴィンチが導入され、数多くの手術が行われております。
痛みが少ない
小さな傷口のみで行われる手術なので従来の開腹手術と比較して痛みも少なく、手術翌日から歩いてのリハビリテーションが可能です。
早期回復、早期退院
鮮明な3D画像、そして最大約10倍のズーム機能による拡大視野で手術中の出血量を最小限に抑え、従来の腹腔鏡手術と比較して手術時間は短縮されます。また腸への負担も少なく手術翌日からお食事を召し上がることができます。
排尿機能の早期回復、性機能障害の低減
先に述べた良好な手術視野により、前立腺を包み込む筋肉や神経を損傷する可能性を最小限にします。それにより、手術後の「尿失禁」や「勃起障害」のリスクを軽減します。
前立腺がん 手術入院スケジュール
1日目 | 入院 検温、血圧測定、採血など 21時以降は食事ができなくなります |
2日目 | 手術当日 手術終了後はベッドで安静に過ごしていただきます |
3日目 | 朝から飲水、歩行可能です |
4日目 | 通常のお食事が可能になります |
8日目 | 尿道カテーテルを抜きます |
9日目 | 退院予定 |
※経過により適宜変更があります
血尿が出たら膀胱がんの検査をしましょう
膀胱は腎臓で作られた尿をためる袋状の臓器です。内腔表面は伸縮性に富んだ尿路上皮で覆われており、膀胱癌の約90%が尿路上皮から発生します。比較的高齢者に多く、男性は女性の約4倍多く発生します。喫煙や化学物質との関連が指摘されています。
主な症状の一つが無症候性肉眼的血尿です。
「おしっこが赤いが痛みもない」
「残尿感がつづく」
「膀胱炎がなかなか治らない」
このような症状が出た場合には泌尿器科を受診しましょう。常に血尿が出るわけではなく、出たり出なかったりを繰り返します。膀胱がんが進行した場合や、悪性度の高い膀胱がんの場合、下腹部の痛みや排尿時痛などの膀胱炎様の症状を伴う場合もあります。
治療は主に外科的手術、放射線治療、化学療法、膀胱内注入療法があります。
当院では放射線治療以外の経尿道的手術や膀胱全摘などすべての治療に対応可能となっております。
腎がん
腎臓とは血液を濾過して尿を作ることによって体内の水分や電解質バランスを整え、老廃物を排泄する臓器です。その他、血圧の調節や血液の成分を増やす物質を作る働きもあります。腎臓に出来る腫瘍の9割は悪性腫瘍です。当科では開腹手術はもちろん最新式の腹腔鏡システムを導入しております。腹腔鏡技術認定医も在籍しており、より身体への負担の少ない低侵襲な治療が可能となっております。また分子標的薬治療や免疫療法なども含め広く対応可能です。
尿路結石症
おしっこの通りみち(尿路)に出来る結石を尿路結石と呼び、ほとんどが腎臓で作られます。結石のある部位で呼び方が変わります(腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石)。95%以上が腎・尿管に存在する上部尿路結石です。決して稀な病気ではなく、日本人のうち20人に1人は一生のうちに一度はかかるといわれており、年々増加の傾向にあります。結石は腎臓にあってもほとんど症状を呈することは少ないですが、細い尿管に落ちて詰まると(尿管結石)激痛を生じます。一般的には背部〜側腹部痛、下腹部痛などの症状が突然出現します。
尿管結石は、小さい結石であれば自然に尿中に排石(おしっことともに身体の外にでる)されますが、ある程度の大きさになると排石が困難となり治療が必要となります。腎盂腎炎という尿路感染症や、尿管が長期間閉塞すると腎臓に負担をかけて腎臓の機能を低下させることがあります。
当院では積極的に内視鏡的に尿管結石に対する手術(砕石術)を行っております。
手術をご希望の方はお気軽にご相談ください。
※体外衝撃波(ESWL)はありません
患者様向け 「尿管結石」説明サイト(ボストン・サイエンティフィック社)
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/health-conditions/Urolithiasis/Urolithiasis-04.html
頻尿、尿もれの手術 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法(保険適応)

(資料提供 グラクソ・スミスクライン ボトックスによる過活動膀胱・神経因性膀胱の治療を受けられる患者さん・ご家族へ)【監修 鳥取大学医学部泌尿器科准教授 本田正史先生】
ボトックス®(A型ボツリヌス毒素)の膀胱壁内注入療法は、その高い有効性と安全性から欧米を中心に普及している治療法です。A型ボツリヌス毒素は膀胱に注射することにより膀胱筋を弛緩(ゆるめる)させ、過活動膀胱の症状(頻尿や尿もれ)を改善させます。
ご希望の方はいつでもご相談ください。
担当医のご紹介
- 泌尿器科 主任部長
- 荻島 達也(オギシマ タツヤ)
役職 | 泌尿器科 主任部長 |
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資格・専門医 | 医学博士 日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡) 日本がん治療認定医機構暫定教育医 千葉県身体障害者認定医(ぼうこう又は直腸機能障害) 手術支援ロボット「ダヴィンチ」認定 緩和ケア研修プログラム終了 日本がん治療認定医機構がん治療認定医指導責任者 |
所属学会 | 日本泌尿器科学会 日本がん治療学会 日本泌尿器内視鏡学会 日本内視鏡外科学会 |
履歴 | 順天堂大学(1996年卒) |
経歴 | 1996年 順天堂大学医学部付属順天堂医院 泌尿器科 臨床研修医 1999年 三井記念病院 泌尿器科医員 2000年 浦安市川市民病院 泌尿器科医員 2003年 University of California San Francisco, Urology Research, Research fellow 2007年 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学准教授 (順天堂医院勤務) 2013年 千葉徳洲会病院 泌尿器科部長 2017年 順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学准教授 (順天堂浦安病院勤務) 2019年 名戸ヶ谷病院 泌尿器科部長 2020年 成田富里徳洲会病院 泌尿器科部長 |
- 泌尿器科部長
- 豊永 洋一郎(トヨナガ ヨウイチロウ)
役職 | 泌尿器科部長 |
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資格・専門医 | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医・ロボット支援手術プロクター(指導医) 日本内視鏡外科学会 腹腔鏡技術認定医 日本内分泌学会 内分泌代謝科(泌尿器科)専門医 |
所属学会 | 日本泌尿器科学会 日本がん治療学会 日本泌尿器内視鏡学会 日本内視鏡外科学会 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 日本内分泌学会 |
履歴 | 東京医科大学(2004年卒) |