4.主な疾患と治療法-① 前立腺がん (PSAが高い)

PSA・前立腺MRI・前立腺生検

前立腺がんは日本で男性罹患率第1位のがんです。その罹患率は50歳以降で急激に上昇していきます。前立腺がんには早期発見をすることができる「PSA」という腫瘍マーカーがあります。採血でチェックできる簡単な検査です。検診でPSA異常を指摘された方、前立腺がんの家系の方、前立腺がんが心配な方にはPSA検査やMRI検査も実施します。これらの検査で前立腺がんを疑う場合は前立腺生検(2泊3日入院)をお勧めします。麻酔下にて痛み無く経直腸超音波検査・前立腺生検を行ない、組織を採取し病理検査を行います。前立腺がんは早期発見により根治を目指すことができます。

成田市では50歳以上で前立腺がん検診(集団)が可能です。
富里市では住民検診として前立腺がん検診は実施されておりません。
気になる方はお気軽にご相談ください。

前立腺がん疑い 前立腺生検検査 入院スケジュール

1日目 入院(※通常は午後) 検温、血圧測定など
2日目 手術当日 朝 抗生剤を飲みます
検査は30分程度で終了します
2時間程度安静後は自由にお過ごしいただきます
3日目 退院予定

※経過により適宜変更があります。
 病理検査結果が分かるまで1-2週間程度かかります。
 退院後の次回外来受診時に病理検査結果をお伝えします。

  • 前立腺生検で前立腺がんと診断された場合には、がんの進行状況を確認するための検査を行います。リンパ節転移・他臓器転移・骨転移を調べるために、CTや骨シンチグラフィーを実施します。
  • 前立腺がんに対しては、手術治療・放射線治療・内分泌治療(内服薬・注射薬)の3つが主な治療法であり、これらの治療を組み合わせることもあります。病状によって適応となる治療法が異なるため、それぞれの治療法の利点と欠点を考慮しながら、医師とよく相談のうえ治療法を選択します。

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術

転移のない早期がんの場合、手術治療により根治が見込めます。手術治療は放射線治療と並び推奨される治療法です。
手術支援ロボット (ダヴィンチ)参照

排尿機能の早期回復、性機能障害の低減

前立腺がんのロボット手術においては、先に述べた良好な手術視野と繊細な鉗子操作により、前立腺を包み込む筋肉や神経を損傷する可能性を最小限にします。それにより、手術後の「尿失禁」や「勃起障害」のリスクを軽減します。
(※がんの進行度合によっては、勃起神経の温存は推奨ない場合があります。)
手術直後には、術後に一過性の尿失禁がみられることが多いのですが、ロボット支援手術では開腹手術に比べ回復が早いことが知られています。

前立腺がん ロボット手術 入院スケジュール

1日目 入院 検温、血圧測定、採血など
21時以降は食事ができなくなります
2日目 手術当日
手術終了後はベッドで安静に過ごしていただきます
3日目 朝から飲水、歩行可能です
4日目 通常のお食事が可能になります
6-8日目 膀胱造影検査を施行のうえ、尿道カテーテルを抜きます
8日目以降 退院予定

※経過により適宜変更があります。