4.-④ 腎がん(腎細胞がん)
腎臓とは血液を濾過して尿を作ることによって体内の水分や電解質バランスを整え、老廃物を排泄する臓器です。また血圧の調節や血液の成分を増やす物質を作る働きもあります。腎臓に出来る腫瘍の9割は悪性腫瘍(がん)です。当科では開腹手術はもちろん、最新式の腹腔鏡システムによる腹腔鏡手術、ダヴィンチによるロボット支援下手術が可能です。腹腔鏡技術認定医・ロボット手術認定医(指導医)による身体への負担がより少ない低侵襲な治療を行っています。
腎がんは自覚症状に乏しく、早期に発見するためには健診でのエコー検査や人間ドックでのCT検査が有用です。近年は健康意識の高まりから早期に発見される事が多くなりました。早期に発見すれば手術により根治が見込めます。またより早期の場合には、腎臓を全部摘出せず一部分だけを切除することでも根治する事が可能です。早期発見のため健診や人間ドックは積極的に行うことをお勧めします。
引用) 武田薬品工業 腎細胞がんサポートナビ よりhttps://www.takeda.co.jp/patients/rcc/index.html
検査
超音波検査、CT検査、MRI検査 などを行います。治療
治療は主に外科的手術、化学療法(免疫チェックポイント阻害薬 含)があります。ロボット支援腹腔鏡下腎摘除術・ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術
腎がんは、放射線治療や薬物治療では完治が難しく手術治療が推奨されます。片方の腎臓ごと摘除することになりますが、小さな腫瘍(Ⅰ期)では腎部分切除術でも再発率が上昇する事はないとされており、可能であれば同手術も推奨されています。腎部分切除が出来れば手術後の腎機能低下が軽減できます。
手術支援ロボット (ダヴィンチ)参照
繊細でスピーディーな切除と縫合
腎臓は血流が非常に豊富な臓器であるため、部分切除術を行う場合には腎動脈を一時的に遮断します。遮断時間が長くなると腎機能悪化につながるため、短時間での切除と縫合が必要となります。ロボットを用いない腹腔鏡手術では切除・縫合自体が困難であることも多く、これまでは開腹手術で行なうことが一般的でした。ロボット手術では繊細でスピーディーに切除・縫合する事が可能であり、また摘出する腫瘍自体が小さいため、開腹手術に比べて画期的に傷が小さく痛みも軽減することが可能となりました。(図) 右腎部分切除術(後腹膜アプローチ)の場合
腎がん ロボット手術(部分切除術) 入院スケジュール
1日目 | 入院 検温、血圧測定、採血など 21時以降は食事ができなくなります |
2日目 | 手術当日 手術終了後はベッドで安静に過ごしていただきます |
3日目 | 朝から飲水可能、ベッド上での動きに制限はありません |
4日目 | 歩行・食事が可能になります |
5-7日目 | ドレーン(排液チューブ)の量を確認し、抜去します |
8日目以降 | 退院予定 |
※経過により適宜変更があります。