4.-③ 腎盂がん・尿管がん (血尿が出た)

腎臓で作られた尿は、腎盂と尿管という管状の臓器をとおり膀胱に流れます。膀胱と同様に尿路上皮という粘膜で覆われています。膀胱がんと同様に、タバコなどの発がん物質により腎盂がん・尿管がんも発生することがあります。
主な症状は、無症候性肉眼的血尿(痛み等を伴わない血尿)です。膀胱癌と同様に、常に血尿が出るわけではなく、一度血尿が出てもすぐに止まることが多いため、一度でも血尿が出た場合には、泌尿器科受診をお勧めします。

検査

尿検査の他、超音波検査、CT検査、膀胱鏡検査、尿管鏡・尿管造影検査 などを行います。

治療

治療は主に外科的手術、化学療法(免疫チェックポイント阻害薬 含)があります。

ロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術 

腎盂がん・尿管がんは、放射線治療や薬物治療では完治が難しく、可能であれば手術治療が推奨されます。腎盂と尿管はつながっており、部分的な切除では残存部位に再発をしてしまうため、腎・尿管を一塊にして摘出する必要があります。

手術支援ロボット (ダヴィンチ)参照

精細な下部尿管剥離と膀胱部分切除・膀胱縫合

腎臓で作られた尿は、腎盂・尿管を通り膀胱へ流れます。腎盂尿管を一塊に摘除する場合には、膀胱につながっている下部尿管を、膀胱からくり抜いて摘出する必要があります。ロボット手術では繊細な剥離と縫合が可能であり、この操作に適しています。過去の手術において腹腔内に強い癒着が存在する場合には、腹腔内を経由せず、後腹膜と言われるスペースのみで後腹膜鏡下に腎尿管全摘除術を行うことも可能です。いずれの手術でもお腹に4~5ヶ所の穴をあけ手術を行なうことが可能であり、開腹手術に比べて手術の傷も大幅に小さくなりますが、腎・尿管を取り出す時に数cmの切開は必要となります。

腎盂・尿管がん ロボット手術 入院スケジュール

1日目 入院 検温、血圧測定、採血など
21時以降は食事ができなくなります
2日目 手術当日
手術終了後はベッドで安静に過ごしていただきます
3日目 朝から飲水、歩行可能です
4日目 通常のお食事が可能になります
6-8日目 膀胱造影検査を施行のうえ、尿道カテーテルを抜きます
8日目以降 退院予定

※経過により適宜変更があります。